Takasugi,Kei

ドリンキング・バディーズのTakasugi,Keiのレビュー・感想・評価

ドリンキング・バディーズ(2013年製作の映画)
4.2
男女4人の恋と友情、というものすごくありがちな使い古されたテーマで、こんなに新鮮で心暖まる映画が撮れることにまず驚く。どんなに接近しても恋愛に回収せず、それでもダメな部分を受け入れあいながら寄り添って生きていく、それが成長なんだ、というテーマを明確に打ち出している。性に関しても安易に描写せず、直接的なベッドシーンを描かないことでむしろより深みのある表現に到達している。
加えて美しい映像。監督のかつての仲間、グレタ・ガーウィグの『フランシス・ハ』にも通じるような、ローファイなのにハッとするようなカットが詰め込まれてる。まずオープニングのビールの製造過程を美しく撮り上げるシークエンスだけで、映画の成功を予感させる美しさがある。歩いてる人の長回し(『卒業』!)とかも。
そしてクラフトビアのブルワリーが舞台なだけにフード理論映画としてもかなりの完成度。誰と誰がどう一緒にご飯を食べているのか?何をどう飲んでいるのか?で人間関係を演出することが徹底されている。食べ物に限らず、小道具で「どういう人か?」を演出することが徹底されている。一緒に酔っ払ってはご飯を弄ぶことで、「人としてダメな部分を共有しあう悪友」という関係が絶妙に演出されていることに、観終わってから気づいた。ラストの人間模様がかなり早く、夜の海あたりですでに示唆されている伏線の張り方にも驚き。
Takasugi,Kei

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