わち

レッド・ファミリーのわちのレビュー・感想・評価

レッド・ファミリー(2013年製作の映画)
3.8
キム・ギドクが脚本・編集を担当した、家族のフリをした北朝鮮の工作員とバカ隣人家族の繰り広げるコメディのようでコメディじゃない映画。
幸せそうな一家を演じる工作員たちが、安っぽいTVドラマに出てきそうなケンカの絶えなさすぎる隣人家族と交流していくうちに、そんな"本物の家族の姿"に感化されていくというまさに自分好みのテーマを含んだ作品で、思想の違いは笑いに変え、あくまで個人個人の家族観をシリアスに捉えているあたりも好印象だった。
ただし、何事もトントン拍子に進みすぎたり、場面の間・過程が全然描かれてなかったり、家族全員がぞろぞろ画面内に入ってくる画だったり(笑いどころなのかな?)、映像的な魅力がイマイチだったという不満は少しあって、せっかくの内容がもったいないような気もした。
隣家同士の壁越しの音漏れが一方通行なのは他のレビューでも指摘されているが、住んでる家が庭付き一戸建てという不自然さも気になる。どうしても庭の柵で"仕切られている"描写が欲しかったのかな?というのは考えすぎか。
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