「夢」とはある種全員の謎であり、そして全員に存在する題材である。
作中にでてくる「夢の中の夢」など共感できる部分も多く、
その上で壮大なスケールでロマンを感じさせてくれた。
最初から最後まで惹き込まれ、
ラストシーンでは泣いてしまった。
夢が何層にもなっていて落ちると戻れなくなる所や、夢か現実の区別がつかなくなる所は正直めちゃくちゃ共感できる。
たまにふと「ここは本当に現実なのか」と疑問に思うことがある。
寝て起きた自分が昨日の自分なのか、まだ夢の最中ではないか、という不安が頭をよぎることがあるが、
その疑問や不安を可視化してくれた気もする。
ノーランは一貫して伝えたいメッセージが同じだと思っていて、今作もそれを存分に感じた。
自分がどうあるべきか、潜在意識や根底の部分に訴えかけるメッセージ性をSFに昇華することで、色々なことを想起させてくれる。
監督もさることながらハンスジマーの音楽も魅力の1つ。
何回でも観て何回でも食らいたい傑作。