ぐう

アクト・オブ・キリングのぐうのレビュー・感想・評価

アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)
3.5
1965年にインドネシアで共産主義者を虐殺した(9月30日運動の)当事者、プレマン達(=ギャング)が当時の様子を映画化するドキュメンタリー、といったらいいのかな…。

国の背景を理解してもう一度観ないと全容把握はできないと思うんだけど、繰り返して観る気力は今はないな。何から何まで異様だった。と思えるのは幸せなことなのだろうか。

ボスにとっては悪夢から少しでも逃れるためのセラピーになったのか、それともトラウマを呼び覚ますものになったのか。罪悪の念は深層意識では忘れようもないんだろうなー。

ただ、戦争でも犯罪でもそうだけど、いくら殺した者が懺悔をしても、殺された者は戻ってこない。罪のない人がどれだけ人の手によって殺されてきたかってことですよ。自身の死の復讐は不可能なのだから、殺人てのはやはり罪深いものです。

「あなたには本当の拷問の気持ちは分からない、これは映画で、実際の彼らは殺されると分かっていたのだから」の台詞は、ずっと避けていたかった事実を突きつけられたんだろう、それからのショットは押しつぶされそうになっていたように思える。

それにしても他の方も言及していたけど、制作クレジットがAnonymousだらけの映画は初めて観た…。まだ50年経っても禁忌事項が多いのも闇深ですな。
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