Reko

エグザム:ファイナルアンサーのRekoのネタバレレビュー・内容・結末

1.5

このレビューはネタバレを含みます

マルコム・マクダウェル…
何故、こんな映画に出演したんだ…
ポルカドットマン、お前もだ。

密室スリラーの皮を被ったC級映画。
ある企業の最終試験まで残った5人が密室に閉じ込められ、採用試験を合格して脱出するには、5人のうち4人が死ななければならない、という謎の雇用デス・ゲーム。

よくあるシチュエーションを何とか捻りに捻って最悪の結果を生んでしまった作品。脚本が壊滅的。設定は悪くなく面白くなりそうな要素もあるのだが、何しろ脚本が壊滅的。場面転換の仕方も良くない。回想を入れると面白くなる場合もあれば、現在シーンの進行が止まって面白くなくなる場合もある。今回は完全にこっち。各キャラクターの背景を見せたいのか、行動を起こす前にいちいちどんな人物か見せようとしてくる。ウザい。

マルコム・マクダウェル氏の重々しいセリフをもってしても、どうにもならなかった。むしろ彼がいることで何とか作品になっている。

キャラクター設定がチグハグ。

①2m超えの巨漢マイク。趣味が筋トレなだけで脳筋ではないですよ、という雰囲気を出しておきながらカッとなると周りが見えなくなり暴走してしまう。

②軽薄そうな男キース。口先だけで人を騙すのかと思えば口先もあまり上手くはなく頭の回転もよろしくない。すぐバレる嘘を付いた理由も曖昧なまま死んだ。

③例の企業についての論文を書いたことで面接に呼ばれた女ビリー。見た目ビッチなのでインテリ設定ぽいのがイマイチ納得いかない。回想でそういう描写もあるだけに、この女が論文を…? という気持ち。

④いい人そうな雰囲気を出しつつ、事前に雇用主にカンニングペーパーを見せられていて虎視眈々と生き残る計画を立てていた腹黒女サンドラ。の割に、詰めが甘い。

⑤主人公っぽい真面目そうなメガネ男ジェームズ。デヴィッド・ダストマルチャン、何でこの作品に出たよ。何故自分が最終試験まで残ったのかわからない、と自信が無さそうなものの『適応力がある』というよくわからない長所がちょいちょい出てくる。しかしそれが上手く表現されていない。

最後に生き残ったのは、生存本能が5人の中で最も低かったジェームズ。

雇用主が推していた女ではなく、ジェームズが生き残ってしまったので、約束破って「お前は採用しないよ」なんてジェームズも私もポカーンだよ。
普通はこういう密室から脱出したら何かしらの開放感があるはずだが、それすらもない。帰れ帰れ~と言われて納得いかない顔してたら、別の社員の男が入ってきて「この男殺したら採用してやるよ」ってもうジジイを殺せよ、マジで。

オチで何とか挽回できたら良かったのに…
オチが一番どうしようもなかった。

普通のB級映画なら笑いながらツッコミ入れられる作品が多いんだけど、これは本当に手の施しようがないC級映画。本当にどうしようもない。


ちなみに、「エグザム」(2009)とは縁もゆかりも無い作品のようです。そっちはそこそこ面白そう。邦題の悪いとこ出てるなあ。
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