夜空のパンケーキ

自由と壁とヒップホップの夜空のパンケーキのレビュー・感想・評価

自由と壁とヒップホップ(2008年製作の映画)
4.3
1600本めのレビュー。
『オマールの壁』で描かれていたパレスチナの西岸地区に立ちはだかる分断の壁。
今作はその壁をヒップホップで越えようとするドキュメンタリー。

ガザ地区への検問の壁。
性別の壁。
年齢の壁。

イスラエル政府への怒りをこめたパレスチナ初のヒップホップグループDAMの楽曲はまさにこうした壁を越えていく。しかし、物理的に一緒に音楽を奏でる壁は立ちはだかったまま。
女性監督が描くその姿を是非観てもらいたい。

全体にアニメ的な効果を出したり、さらには作品内で奏でられるヒップホップの楽曲がめちゃくちゃいいので暗いドキュメンタリーにはなっていません!
あまり関わりがない国の楽曲の良さは国境を越えるのだから、現地の人たちにはもっと突き刺さるのだろう♬

彼らは反発したいわけではない。
彼らが望む平和の意味を垣間見る事ができる良作でした。