抹茶マラカス

ホドロフスキーのDUNEの抹茶マラカスのレビュー・感想・評価

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)
2.5
ホドロフスキーがDUNEを作ろうとし、そして失敗したドキュメンタリー。製作過程を追う、というより当時を振り返る感じだ。
前半、どうやって着想を得て、どのように映画にしようとしていたか嬉々として語るホドロフスキーは可愛げがあるし、メンバー集めはとても楽しいように思える。しかし、サルバドール・ダリの話あたりから雲行きが怪しくなる。
ホドロフスキーのDUNEは未完の傑作かもしれないが、そもそも未完のものは未完だから傑作なのだ。それを忘れて悦にいっているように見えてくる。だが、それだけなら色んな未完の傑作があり、このケースが特殊だとは思わない。DUNEはホドロフスキーのものではなく、原作者のものだ。ジャスティス・リーグはジョージ・ミラーのものか?バットマンはダーレン・アロノフスキーのものか?勿論違う。
しかも「ロスト・イン・ラマンチャ」の惨劇があって、それでもなおドン・キホーテを作り上げたテリー・ギリアムという御大がいる。いじいじ過去の幻想に縋ってるおじいちゃんは家でやっててくれ
挙句、この後のフィルムたちは、ホドロフスキーの未完のコンテを元に影響を与えたと言い出す。それは事実であっても、影響を受けた側が語る事であり、あんたが言い出すことではない。
少なくとも、私はホドロフスキーの作ったDUNEを見たいとは思わなくなった