2回目の鑑賞ですが、この作品は本当に奇妙な感覚をもたらしてくれます。
グザヴィエドランって、賛称されすぎているとも言われていますが、観たくないような人間の汚い部分をリアルにそして繊細に撮っていると思います。
ギョームの家庭は壊れている。
息子を溺愛して喪失感から抜け出せない母。
弟への異常な執着。そして家族へのDVとも思えるような異常な行為を続ける兄フランシス。
フランシスの精神的、肉体的暴力からいかれかけているトム…
こんな閉鎖空間あり得ないだろうと思いましたが、実際、マインドコントロールされてしまった人はこうなってしまうんじゃないかと思いましたが。
トムが、僕は生きてる価値がないと言っていたのが印象的。
そうやって生への絶望を抱いている人ほど、マインドコントロールされやすいんだと思います。
観ていて恐ろしさより、悲しさを感じました。
そんな映画です。