Mako

トム・アット・ザ・ファームのMakoのレビュー・感想・評価

4.3
サイコパスサスペンスなのに、怖さだけじゃなくて切なさや寂しさも残る不思議な感覚。

トムが友人ギョームの葬式に来たその街は閑散としていて寂れた農場地帯。表向きは“愛”で包まれたその家族は実は“嘘”で成り立っていた。このとてつもない緊迫感を作り出しているのは“嘘”なのか“愛”なのか。

ギョームの兄フランシスの暴力といい、凶暴なトウモロコシ畑といい、明らかに不気味なその街からすぐに逃げなかったトムの本心は何なのか。

言葉では語られなかった“愛”がいちばん印象深く、終わった後も想像を刺激する。

怖かったはずのこの映画、終わった後に振り返って考えると切なくて泣きそうになる。
Mako

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