外面

白ゆき姫殺人事件の外面のネタバレレビュー・内容・結末

白ゆき姫殺人事件(2014年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

昔原作も読んで地上波でやってたやつも何となく見た気してたけど大筋以外全く覚えてなくてびっくりした。いや〜美しいね初っ端から出ている人間が真犯人という流れどんな作品で見ても大好き。湊かなえ万歳。
親友、友達だった、と言っていたけど変わってしまったというより親友の価値観に気づいていなかったが正しいんだろうな〜時を経て分かり合えなくなる人ってどうしても出てきてしまう。それに対比したアンとダイアナの関係性は美しかったけどあれはダイアナ側の価値観が引きこもりによって変化していないこととか城野美姫が他に居場所ができなかったのが大きいんだと思う。年を重ねるにつれて長年変化しない関係って素晴らしいけど双方が変化していないからこその関係性なのかなとも思うようになっている。稀に双方が同じスピードで変化していたら長年友達でいれるのかもだけど、どちらかが変化を望んだらその時期の友達とは話し合わなくなるのって当たり前なんだよな〜考えさせられる。
ラストはどういう解釈なんだろうか、城野美姫がそう言ってくれる本当にいい人だったのかわざと轢こうとしていたのか(読解力ないとこういうの疑問に思ってしまうな)予想は後者!まじで井上真央は一癖ある女の人の役が似合うし菜々緒は性格悪い女が似合うし真犯人役の人も普通に殺しそうなの解釈一致すぎる。
人間の記憶が曖昧だったりすり替えたり嘘ついたりするの現実味ありすぎて終始わかる〜状態だった。細かいけど典子の一次会の様子を伝えてる回想シーン、真犯人は真犯人が典子を褒めて会話が広がる様子、城野美姫のパートナーは自分が典子を褒める様子、城野美姫は誰も褒めてない様子でうわ〜細かいな…となった。城野美姫は当事者として語ったから全部本当みたいに捉えられてるけどもちろんその全てが本当なわけではなくて多分どこかしらに現実との違いがあるんだろうなと思うとさらに面白い。悪意とかじゃなくてもみんな多分こんなもんだよね、私もこういう節ないわけじゃない。分かる。
城野美姫と三木典子の自己紹介、第一志望の三次面接(お祈りされた)を思い出してクソ病んだ。初めての対面集団面接で2番目に質問がまわってきたんだけど「2番目で回答を考えてるのは1番目の人にフェアじゃない、1番目の人の話を聞いていたアピールをしよう」と謎の決心の末、「私は(1番目の人のすごい家族構成とか業界人っぽい環境)ではないんですけど〜」とヘラヘラ喋ってしまったんだよな。緊張で混乱してなかったらめちゃくちゃ嫌な言い方なの分かるはずなのに…あの男の人は特にそこに言及しなかったけど嫌な気持ちになっただろうな…ごめんね…落ちたので謝ることも出来ずたまに思い出してものすごい罪悪感に苛まれる。そして落ちた面接の数々のミスった受け答えを同時に思い出して悔しくて辛くなるまでがセット。どの質問で落ちたのか、全部の質問が悪かったのか、そういうの考え出すと死にたくなるしミスった回答を聞く面接官の「あーこいつはないな」みたいな表情鮮明に思い出せる。ガチで内定欲しかったんだよあと一歩だったのに悔しい辛い(何の話?)まあとにかく典子も傷つける気持ちがあったわけじゃないのかもしれないと思ったり…物を取ったりするのも勿論少しはそういう気あったと思うけどあーゆー全部手に入れた人ってそうやって手に入れる環境が当たり前だからちょっとマウント取ってやろうくらいの気持ちなんじゃないかなとか…典子の「他の人に負けたくない全部欲しい」という汚い感情も分かってしまうから困る。分かるよ………私も汚い。
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