FukiIkeda

NOのFukiIkedaのレビュー・感想・評価

NO(2012年製作の映画)
3.7
舞台は1988年のチリ。まさに当時の映像のようなフィルターを通して主人公である広告マン、レネを追うようなドキュメンタリータッチに撮られているので、リアルでなかなか面白い。これは今の日本で生きる私たちに課題を与えてくれる。
ピノチェトによる軍事独裁国家だったチリでは不当逮捕や人権侵害が相次ぎ、国際的な非難をうけ、政権の信任を問う国民投票を行うことになった。
どうせ出来レースだろうという空気の中、この政権に反対するNO陣営のキャンペーンに抜擢された新進気鋭のクリエイティブディレクターのレネ。そこでレネは怒りに任せた悲劇的だったり否定的なキャンペーンCMではなく、コカコーラのCMのようなポップで明るいCM、ウィットに飛んだCMで人々にうったえかけていく。
日本でも、大きな政党と某大手広告代理店の強いお金の絆は有名だし、政党が発する美味いキーワードやコピーの裏には優秀なコピーライターの存在が大きく見える。
だから日本もポジティブな気持ちでNOが言えるような行動を起こしていきたいよね。
私たちmaskzがやるべきことってこういうことだったよねと思い返させられた。
FukiIkeda

FukiIkeda