MasaichiYaguchi

好きっていいなよ。のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

好きっていいなよ。(2014年製作の映画)
3.0
葉月かなえさんの累計600万部を突破したベストセラーコミックスを映画化した本作は、観ていて大分昔に抱いた初めての気持ちが懐かしく蘇ってくる。
ヒロインの橘めいは、幼い頃に身に降り懸かった或る出来事で心を閉ざし、人と会話することもせず、恋人どころか友人さえいない。
そんなめいだが、ある切っ掛けで学校一のモテ男・黒沢大和と出会う。
大和は、喋らず根暗なめいに関心を抱き、強引にアプローチしていく。
テレビドラマ「神様のカルテ」の放映が控える大和役の福士蒼汰さんが正に「白馬の王子様」という感じで、過去の「呪い」で堅く心を閉ざしためいの心を優しさと甘いキスで抉じ開けていく。
このヒロインのように極端ではないにしても、自分に自信がなく、殻に閉じ篭っている女の子はかなりいそうな気がする。
めいは今まで抱いたことのない初めての気持ちに戸惑いながら、手探りで大和と付き合い始める。
このめいの揺れ動く心情を繊細に、大河ドラマ「麒麟がくる」で好演した川口春奈さんが演じている。
非の打ち所の無い彼氏と自分が釣り合わないという劣等感に苛まれ、落ち込みながらも、自分を見詰め直し、前を向いていこうとするめいにエールを送りたくなる。
彼女は大和と付き合う中で、悩みを打ち明け、相談に乗ってくれる親友たちも得ていく。
愛されたいなら、自分も相手に好きだと意思表示しなければ、何も始まらないということを甘酸っぱい青春ラブストーリーで描く本作。
福士蒼汰さんのファンだけでなく、初恋を経験済み、または未経験の女の子たちにとって本作は胸をときめかせたり、キュンキュンさせたりする映画だと思う。