ヒラリー

ある精肉店のはなしのヒラリーのレビュー・感想・評価

ある精肉店のはなし(2013年製作の映画)
3.7
いのちをいただく。
今年は屠殺シーンや映画をかなり見ている。
普段自分が食べる肉は既に加工されてあとは口に運ぶだけ。
でもこの肉になる過程を見てる人はどれだけいるんだろうか。
先日ワイズマンの肉で屠畜工場のライン作業を見たばかり。
本作は対照的に牛を育て、屠畜場に連れて行き、頭をハンマーで殴り首元を切る。
牛から肉に変わるタイミングで割り切ると言っていたが確かにそうしないと商売にならない。
同じ命、ペットと家畜の違い、食べるか暮らすか。
動物愛護、菜食主義で肉は食べない!という人もいるけれど私には無理、肉が好き。
大きな箱に牛の内臓を出すシーンはこの大きな体にこんなに色んなものが詰まっているんだなぁと思ったり。
輸入や統合が進み、こう言った店がなくなったり、屠畜場がなくなるのも仕方ないのかもしれない。
でも機会があれば見学に行ってみたかった。
ちょいちょい入る北出家の食卓にあまり肉がないのも印象的だった。
農家の家なら自分のところで取れた野菜を食べるけどそんな事もないのかな。
本作を通して一家族の暮らしぶりを見たけれど北出家は屠畜を生業として生きているだけ。
だが昔はそう言った事で差別される世の中だったのも事実。
代々続く環境なだけで、結婚もするし出産もする、そして次の代に続く。他の人間と何ら変わりない。
当たり前のことを当たり前に出来ない、認めて貰えないのはやはり生き辛いな。
人は他の命を頂戴して生きているからこそその命に感謝しなければならない。
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