正直理解が追いつかないような描写、というよりは意図が分からないものがいくつかあった。なんというか、床に置いてある現代アートのような。
物語はインタビューのような形式で撮られた映像と、映画の本編のようなものの2つを織り交ぜながら展開され、ドランらしい人物の追い方だと思う。
唯一の真実は愛の衝動だけ。冒頭で出てくる言葉。愛していたという事実だけが真実であるとも言えるし、今、ここの、気持ちの高ぶりだけが真実だとも取れるんだけど、ニコラのことと、ラストシーンを見るとこれも認めたくないというかなんというか……
物語の進行と、相変わらずふんだんに使われる音楽。
とにかくマリーの服と、女らしいリップが素敵だった。喫煙者としては気持ちもわかる。
私はロランスのほうがもっと踏み込んだ感じではあったかとは思うが、こっちの方が見やすくて好きかも。ドランの作品のなんとも言えないアートのような美しさとザラつきは、映画という娯楽の枠を超えてしまうなあ