みお

それでも夜は明けるのみおのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
3.5
日本版ポスターの雰囲気から ライトな歴史実話物なのかなと思ってたんだが、ひたすら差別と暴力と裏切りと無力感とで目を背けたくなる作品だった。

ゆったりと丁寧に描かれる南部の奴隷制の実態。

1841年のアメリカが舞台なので、自由黒人がいるとは言え 黒人を売買し所有物として扱う奴隷制の時代。
だから白人の傲慢な振る舞いは当然っちゃ当然なんだけど、これを映画にする上で「改心する白人」を誰一人登場させなかったのが良いなと思った。
作品中では黒人を虐げる白人は何一つ報いを受けることもなく考え方を変える訳でもない。それは、観ている現代に生きる我々にはただただつらいが、だからこそ、よくある「あまっちょろい許し」など描くつもりもないって感じが伝わってきて痺れる。
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