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大統領の執事の涙のSのレビュー・感想・評価

大統領の執事の涙(2013年製作の映画)
3.6
オバマ大統領の「yes we can」の一言でこんなに泣ける日が来るとは。初の黒人大統領としてオバマ氏が当選した当時は小学生だったので何も知らなかったんですよね。テレビや周りの大人が騒ぐのをへーって思いながら「イェスウィーキャン」を真似してただけ。

7人の大統領に30年支え続けた一人の黒人執事を通して差別問題を取り上げていく内容だったけれど、本当に残酷だなぁと。この手の話はいつも心が沈むんだけど、それでもこの映画の終わり方は希望に満ちていて良かった。まだまだ根深い深刻な問題ではあるものの、この映画に関して言えば本当に良かった。

オバマさんの実際の演説とかが映画に使われているけど、この映画だけを見た私があんなに感動するのだから実際にこの歴史の上に立ち続け肌の色のみで虐げられ戦い続けてきた人々に、彼の演説や大統領就任がどんなに希望で光だったかっていうことを考えると……。

普段の顔ではない、仕事の顔でもない、「白人の前に出ている時の顔」。そんな屈辱的なことないよ。戦い続けた息子くん、正直最初は手のかかる子だなぁとか思う面もあったけど、ああやって誰かが無理矢理にでも立ち上がって立ち向かって、危険な中でも突き進んでこなければ道は開けなかったんだよなぁ。立ち上がったら命の危機もすぐ隣にあるって本当になんなんだろ。

肌の色、地域、男女、ほかにも様々な差別問題が未だ世界には残り続けているし、自分だって誰かにとっての差別対象であり無意識のうちに差別はおこなっているのかもしれない。

別に良い子ちゃんな感想をこの映画を見て抱けって話じゃない。ただ単純に、執事として従事しながらその時代を真っ直ぐに生き、方や常に主張をやめず戦い続けた、そんな親子の物語として本当にすごく好きな映画だったなーって思う。
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