はま

大統領の執事の涙のはまのレビュー・感想・評価

大統領の執事の涙(2013年製作の映画)
3.6

黒人の人たちが歩んできた歴史の壮絶さが身に染みる映画。

一言に差別と言っても正義と共存の形は本当に人それぞれで一筋縄ではいかないし、同じ黒人同士でも、それが例え家族であっても、争いやすれ違いが生まれてしまうのがまた苦しいところ。

主人公の人生を通して見て、オバマ大統領の選出というのは人類にとって本当に本当に大きな一歩だったんだなと痛感しました。

これほんのついこの間までの、いや現在進行形で人間が抱える問題なんですよね。今この時代に生まれて人並みの教育を受けているから「人種差別はいけない」と素知らぬ顔で言えますけど、もし真っさらな状態だったら私はいつの時代でも正しい人間でいられるかな?と、この作品を観ていて自分が確実に持っている意地悪な部分を少し怖く思ったりもしました。それだけマジョリティとして力を持つことは恐ろしいことです。


といった感じでなかなか考えさせられる作品だったのですが、正直映画としてはごく平凡なようにも思いました。

一番嫌だったのは人の死が簡単に描かれること。それに付随して時間の経過の描き方が下手なところ。物語のバランスが悪い気がします。
はま

はま