イチロヲ

痴漢電車 車内で一発のイチロヲのレビュー・感想・評価

痴漢電車 車内で一発(1985年製作の映画)
3.5
暴力団会長の暗殺依頼を請け負った殺し屋(螢雪次朗)が、ターゲットの純真な長女(星野まり)に絆されてしまう。殺し屋の暗躍と痴漢電車を掛け合わせている、新東宝配給のピンク映画。

螢雪次朗演じるノロマなヒットマン(その名もジョーク東郷)が、大杉漣と池島ゆたかの抗争に割って入る。あっけらかんとした喜劇スタイルに一貫しており、テレビのクイズ番組で両者を争わせるという、実に理想的な決着戦を提示している。

痴漢電車の要素では、痴漢行為を通して女性工作員(竹村祐佳)とモールス通信する場面が抱腹絶倒。また、走行中の車内で銃撃&格闘の撮影を敢行しており、ひとつの車両を現場スタッフが(たぶん無許可で)占拠していることが分かる。

新人女優・星野まりのプレゼン的要素をサラリと盛り込みつつ、殺し屋家業の悲哀へと落とし込んでいく語り口が巧い。パンティを水で濡らすことにより、うっすらとヘアを幻視させるエロ演出も素晴らしい(ちなみに成人ヌードのヘア解禁は1990年)。
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