のい

劇場版 HUNTER×HUNTER The LAST MISSIONののいのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

今更ながらにハンターハンターにドハマリして、日テレ版を数回見返し終え、今はフジ版を借りて見始めたところ
原作は未読(これから読む!)

前回の緋色の幻影はグリードアイランド直前だったけど
今回はグリードアイランド後のカイトと再会した直後のキメラアント討伐前?

前作にしろあまりの酷評ぶりに心して見たけど全然良かった…皆さん元が余りにも良すぎて期待値上がり過ぎなんじゃないの…
たしかにツッコミどころはあるけど、しっかり間をつなぐ話になってると思った
ストーリー的に…というより、概念的に

私はハンターハンターの魅力は、念バトルや意表を突く展開の他に、人と人とが出会うことによって生まれる化学反応や心理的掘り下げに惹かれているので後者の意味では十分楽しめた
ただ本編並みのクオリティではなく、補完的なものの域は超えてないとは思う

念というものを扱うなら「怨」という概念は外せないよな…と前から思ってたので、それが出てきたのは個人的に満足
ただ正直富樫さんご自身が怨の概念で話を作ってくれてたら、もっとめちゃくちゃおもしろくなったろうなとは思う

でもハンター協会とゴンの持つ危うさの部分はよく表現していたと思う

過去に囚われて生きる影の一族と、かつては過去に囚われ復讐にのみ命を捧げていたクラピカとの対比が良かった
キーワードは「仲間」でしつこいくらいに連呼されるのにはちょっと苦笑してしまったけど、実際、新たな仲間を得ていたか否かでクラピカと影の末裔の道は違えてしまった
ここではクラピカを筆頭に、キルアもレオリオも苦い過去を抱えている
ネテロ会長も
ゴンのみ、何も抱えてない(父親に捨てられた事は普通の人間なら辛い過去になるんだけど、コイツには普通は通用しない…w)
だからこその怨に身を委ねても戻れたんだと思うけど

ここでの出来事が、ネテロ会長がこの後のキメラアント編でハンター協会の会長としての生き方ではなく、一人のハンターとして人生を全うする道を選ぶ後押しになったのかなと感じた
これからを託していいと思えるゴンたちを見れたから

仲間が傷つけられる事への尋常じゃない怒りの力が、ゴンを怨に身を任せるという無謀さに駆り立てる辺り、この後のゴンさんに至る芽がすでにあるのがやばい

キルアはゴンが仲間のためには平気で自らを危うくする様をここでも見てたから、なを更にキメラアント編であれ程ゴンの異変に敏感だったのかなとか

前作映画はキルアの危うさに焦点を当てていたけど、今回はゴンの危うさに焦点が当たっててどっちもキメラアント編への伏線になってるのが良い(どっちもまだ12歳そこそこの子供なんだよな…と改めて思ったり)

怨という概念(力)に対抗するのに、ゴンの善悪に頓着しない、清濁を飲みこめてそれを光に変えてしまえる、もって生まれた度量や気質(慈悲の気質)ほど適したものはないよなとか

今回はそれが功を奏したけれど、その使い所の未熟さ(だってそうはいってもまだ12歳!しかもゴン初めての大きな罪悪感を抱えての状態だから…(>_<。))の結果がキメラアント編のあれなのだなとか…

ゴンが怨の契約から抜けた後にジェドに対して「俺はお前を(許す!)」と、許すの部分を無音にしたのは秀逸だった
迫害を受けて滅ぼされた種族の恨みの念を持つ存在に、子供が口にするには不遜になりかねない言葉だから…だけど実際に怨と契約をし同じ苦痛を味わい、かつ未来を担える子供のゴンだからこそジェドに対して意味も力を持つ言葉でもあり…

ハンター試験のときに半蔵が「ゴンは腕を折られた直後にもう恨みを忘れている」と言っていた事が伏線になってるし…

あとはヒソカが徹頭徹尾傍観者に徹してて意味不明に気まぐれなのも良かった(ほんとになんもしないのね!!) 

というわけで私は面白かったし大満足!!!
これ見てまたキメラアント編見たら益々深みが増しそう…(そしてまた最初から見返してネバーエンディングになる…)

付け足し感想
※ジェドが辰王(byカルラ舞う)に見えて仕方なかった
あとコインを指輪にしてたの?だとしたらエモい…
のい

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