おまんじゅう

17歳のおまんじゅうのレビュー・感想・評価

17歳(2013年製作の映画)
3.5
なにも不自由のない生活を送る17歳のイザベルが売春に手を染めていく様を静かに綴った物語。

「なぜそんなことを?」という疑問に、劇中では明確な答えは示されない。
その「なぜ」にどんな答えを与えるのか、その答えに観客の心が照らし出されるのだと思う。

僕には、彼女は禁忌を犯すことで起こるアクシデントに期待しているように見えた。
それは、子供時代を終わらせてくれるような出来事と出会えるかもしれないという期待。

物語ラスト、ある出会いによって彼女の変心が描かれる。それは彼女の眠りにつく場所と目覚めた場所の移動に象徴される。かくして彼女は大人になる。目覚めた彼女の目線の先、その先になにが見えているのか。ここでもまた、われわれの心情は照らし出されてしまう。