Idetan

17歳のIdetanのレビュー・感想・評価

17歳(2013年製作の映画)
3.8
17歳の複雑な心理

マリーヌ・ヴァクト演じるイザベルは、夏のバカンスで出会ったドイツ人男性と初体験を済ませる。その後、何故かイザベルは彼に素っ気なくあしらい、17歳の誕生日パーティーに招くことも拒む。バカンスは終わり、パリに戻った彼女はSNSで出会った不特定多数の男性と関係を持つようになる。

何不自由なく暮らしている彼女が何故娼婦となったのか。お金に困っている訳ではないし、行為の後、入念に身体を洗う姿を見ても快楽を求めている訳ではないことがわかる。
娼婦として稼いだお金をポーチに入れ眺める所をみると、自分の女という価値をお金という媒体により推し量っているようにも見える。そうではないと本人は言っているが、カウンセリングの料金が自分の稼ぐ料金と比較して安かった事に対して「たったの70ユーロ?」と挑発的とも取れる表情で言う姿には多少の優越感を感じているように見える。

イザベルの母がこの何故に対して理解しようとするがまるで分からない様に、鑑賞者もこの問題について考えずにはいられない。本作は大人と少女の境目である17歳という年齢の複雑な心理とセクシャリティーを見事に描いた作品だと感じた。
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