『スモークビュー』
17歳の年齢を迎えた女の子が、数々の肉体関係に溺れていく話。
金を得るために、数々の男性との時間と空間と快楽で日常を満たしていく。
その一瞬の満たしあいに手に入れいれたものは、
彼女がタバコを吸いながら窓から見える景色を見ているシーンが物語っているような感じがした。
その心の内に潜む言葉。
所詮。しょせん。ショセン。
【男】というものを知りつくしてしまったという淡い闇が訪れている感触があった。
その日から、街で見かける【男】は彼女にとって【男】でしかなく。
タバコの煙のように、いずれ思い出から消えていく。
一瞬の満たしあい。
もう彼女は止められない境地に。
それでも、彼女が忘れられない男性とであう。
そこには、他の男にはなかった、優しい音が風のように肌に触れたからなのではないか。
まさにメランコリックなイヤラしくいじらしい作品である。