高校生4人の子供から大人へと成長しようとする姿を描いた青春物語。ただただ青春を映像化した作品だから感情の芽生や変化は常に描かれていたが出来事としてはあまり起こってないから展開がかなりスローに感じる。それでも前半は丁寧で飽きることはなかった。後半は少し退屈してしまうので勿体なさが残る。ストーリーとしては高校生という若者の複雑な感情をしっかり捉えていてよくできてる。なのに場面ごとに登場人物がする行動に対し感情をナレーションするのが作品の質を下げてるように感じた。場面から登場人物の抱いてる感情は言われなくても分かるし、文学的に仕上げようとしたのかナレーション中なされる下手な比喩表現はやかましく感じる。
大人と子どもの違いは物事をいかに早く判断し決断するかだと思う。大人ぶる子供に値する高校生は分からずとも判断するか、いつまでも判断できずにいる。それが恋とならば高校生の感情は自分の事であっても理解不能。人生の選択に正解がないから答え合わせもできず責任も持てない。そんな主人公の感情と周りの人物の感情の恋が交差する模様はとても甘酸っぱく感じる。それを崩していくかのような大人時代と学生時代の場面転換。学生の頃に恥じらいを感じてるのはリアルだけれどもう少し展開を効率良くして欲しかった。
