このレビューはネタバレを含みます
函館の狭い街のパチンコ屋でライター貸してくださいから始まるたばコミュニケーションから出会う男2人から紡がれていくストーリー。
思わず、目を背けたくなるような複雑な家庭の中に過去のある事件のトラウマを抱えた主人公が出会い、再生しようと進んでいく物語。
全体的に静かで生々しく、村社会的な閉塞感や暗い世界観で時より入る物語が不幸な方向にシフトするであろう暗示的なショット(もらった花が枯れていたり、天気が悪い等)が印象的であったが、それは全てタイトルの「そこのみににて光輝く」に繋がる道標だったのかもしれないと思うとグッと来るものがあった。
山から海に行った主人公が海で光輝くラストは彼らに取っては行き着く不幸の終着点を迎え、その光輝いた瞬間が幸福の物語の始まりだったのかと思えるラストだった。
個人的には何よりも綾野剛の顔で演じる演技力に脱帽した。