雪

そこのみにて光輝くの雪のレビュー・感想・評価

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)
4.2
重いのを覚悟して見ました。
拓児と千夏の姉弟が達夫にとっての救いであり光であり、達夫が二人にとっての光。
思っていたより暗くなく、3人とも演技が素晴らしくて(池脇千鶴と菅田将暉は完全に千夏と拓児にしか見えなかった)、体当たりの演技も実を結んでいて、名作でした!
題材的に万人ウケはしないだろうけど、登場人物たちがそこに息づいていて、感情を持って確かに生きていると感じました。

達夫と千夏の対比が意図的で、
序盤では、家族のために生きるようでいて空虚な千夏と、自分だけで抜け殻として生きる達夫
ラストでは、光に照らされる千夏と、その光の源である太陽を背にした達夫
意味深でした。

個人的にラストシーンは救いに満ちていると感じました。続きを丁寧に描かなくても観客との信頼関係が出来上がってるから良いよね? という意思表示だと受け取りました。楽観的ですかね?
最初タイトルの暗示は千夏のことかと思ってたんですが、エンディングでは考えが変わりました。
三人ともかけがえのない存在を見つけて、お互いが「そこのみにて光り輝く」のかなと。
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