め

百瀬、こっちを向いて。のめのレビュー・感想・評価

百瀬、こっちを向いて。(2013年製作の映画)
3.4
ただただタイトルと雰囲気に惹かれて視聴。
ネタバレか判断微妙なので一応気を付けて下さい

こんなにも尊くてこんなにも切ない恋愛映画は初めてかもしれない、、。
最後、嘘でしょここで終わり?!って思わず口に出してしまいましたが、この切なさがこの作品の良さなのかなと捉える事にしました。全てを知った上でもう一度みたい。
とにかく全てが切ない。「恋」というもの、「好き」という感情に翻弄されていく4人の姿。主に描かれているのは百瀬と相川の姿だけど最後まで見るときちんと4人の姿・それぞれの葛藤が丁寧に描かれているところが「この映画いいな」って思えるポイントでした。特に百瀬への想いに苦しむ相川の姿が、ありがちな恋愛映画における冴えない男の変化ではあるけれど本当に苦しくて切なくてとってもリアルで、彼の演技はすごく良かったなって思いました。
「好きな人と通じ合ったって、一瞬じゃ意味無いよ。一瞬以外全部、他の人のものって事だよ。」ってセリフがすごく刺さるし、恋愛のれの字も知らない相川だからこそ出てきた言葉なんだろうなって、そんな相川が恋を知るっていう進展の仕方もとても好きです。
本当に本当に好きで好きでたまらなくて言葉に出来ない程苦しい決して結ばれる事の無い相手への想い、果たして本当にその相手に出会わなければよかったのか。果たしてこの感情は本当に後になって思い出なんかになるのか。恋愛って何だろう、好きって何だろう、本気で人を好きになるってどういう事だろう。そんなことを改めて考えさせられた映画でした。

あと他の人も言っているけれどこの作品の良さは映像美にもあるのかなと。ひたすらに綺麗。この切なさ儚さ尊さ全てを映像美で表現出来ているし、ストーリーの良さに合った映像の綺麗さでした。


ただやっぱり6年前の映画だからこそキャストとか衣装とか、その辺に関してはまあ目を瞑っておくべきなのかな、、。そして個人的に突っかかるのが早見あかり。百瀬の意地っ張りで気が強そうな雰囲気は確かに早見あかりの雰囲気が合っているなと感じた。けれど、終始早見あかりは本当に綺麗だけど、早見あかりのショートがイマイチしっくり来ないのと無邪気な百瀬の部分があんまり早見あかりには合ってないように感じてしまった。素敵なんだけどあまり儚く軽やかな少女感が足りなかったような印象でした。まあでもあの色んな要素の詰まった百瀬は難しい役なのかな〜、、演技しないから分かりませんが、もうちょいハマり役な女優さん居たんじゃないかなって個人的には思ってしまいました、、。

その辺で少しマイナスになってしまったけど見てよかったって思える素敵な青春映画でした。こんなに綺麗な恋愛ものは久々過ぎて感動してしまった、、。これもぜひ原作手に入れたいなと思います。お金貯めよう。
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