ハナカミ王子

アバウト・タイム 愛おしい時間についてのハナカミ王子のレビュー・感想・評価

4.5
21歳の誕生日を迎えたドーナル・グリーソン演じるティムは、ビル・ナイ演じる父親から「一家に生まれた男たちには(過去にしか戻れない)タイムトラベル能力がある」ことを告げられる。
恋人が欲しい、その目的を果たすべくタイムトラベルを繰り返す中でレイチェル・マクアダムス演じるメアリーと出会い、幸せな家庭を手に入れる。
不幸や失敗を経験する度にタイムトラベルするティムだが、どんな家族にも起こる運命の幸不幸は不可避だと気づく。

大ヒットを記録した『ラブ・アクチュアリー』で長編監督デビューし、今作を監督最終作としているリチャード・カーティス、彼が作り出す愛とユーモアがたっぷり込められた台詞の一つ一つは、近年では珍しい2時間超という時間を微塵にも感じさせませんでした。

どこか男として“不完全な”ティムが少しずつ“完全な”男に近づく様子は、「そうそう!」と納得してしまったり「理想だよな〜」と夢見物だったり…
タイムトラベルと聞くとSFモノ!?と思いがちだけど、現実(ティムの成長)と非現実(タイムトラベル)の対比がすごく心地良かった。

そしてストーリーに華を添える俳優陣の演技。
『きみに読む物語』でブレークを果たしたレイチェル・マクアダムスは歳を重ねるごとにキレイになってるし(男性であればメアリーという夢を持ってしまうことを間違いなし)、ビル・ナイの大きな包容力と愛に満ちた演技は、物語に心地よい平穏を与えてくれる。
個人的にはTVドラマ『PAN AM』で名を知られたマーゴット・ロビーの、なんとも小悪魔的なキャラクターが定着してきたところはちょっとツボ…。

自信を持って他人に薦められる一本です。
今すぐにでも映画館で見て欲しい、そんな作品でした!
ハナカミ王子

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