まったーほるん

家族の灯りのまったーほるんのレビュー・感想・評価

家族の灯り(2012年製作の映画)
4.3
言うまでもなく世界最年長(現105歳)の監督オリヴェイラの新作。103歳にして脂が乗ってきたといわれてる怪物が撮る映画でしたほんとに。小津が生きてたらこーゆー作品撮ってるって思った。
最初のクレジットが流れるファーストショットの圧倒的な画力。カメラを全く動かさず船と港と街を撮ってるだけなのになんであんな絵画的で力のある映像になるのだろうか。若手監督じゃ太刀打ちできない圧力がある。その後のなんの脈略もなく壁の真ん中にピンボケしたようなフィルムが焦げたような黒い丸ができてそこから両手だけが出てくるシーン。やばすぎ。
このシーンが終わるともうカメラは家の居間からほとんど出ずに会話劇だけ。その会話内容と役者の表情から彼らの歩んできた人生、価値観がわかる演出、容赦無く救いようのない現実をつきつける脚本。
やられました