Papaya

家族の灯りのPapayaのレビュー・感想・評価

家族の灯り(2012年製作の映画)
4.7
マノエル・ド・オリヴェイラ監督、御年103歳で撮った新作。そんな情報を知らずに観に行って、画も話もヨーロッパの深層に潜む重厚さを湛えていると思っていたら、2012年製作と出てきて、魂消た。構想に60年だというから、作り続けることの意義が画面の全てから溢れ出てきて、もうなんだか良く分からない気持ちになる。人の最も深い罪とは何か。それは、成長を辞めること。狭くて汚い家がシーンのほとんどなのに、その中で運ばれていく家族の構成員のそれぞれの想いが、クライマックスで急激に昇華されていく。この主題の重厚さに立ち向かえる様になるまで、どれだけの道があったのだろうか。100歳を超えても表現する巨人の心の眼は、何を見ているのだろうか。
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