このレビューはネタバレを含みます
誰の目にもインチキなのは明らかな「100万ドル当選のお知らせ」を頑なに信じる高齢の男・ウディが息子をはじめとした親類や周りの人間を巻き込んで賞金引換場所のネブラスカを目指すロードムービー。緩やかに時が流れる田舎が舞台かつ特別何かすごい事が起こるわけではないが、クスっと笑えたり、ホロリと来たり、考えさせられたりで面白かった。
最初はボケた頑固ジジィにしか見えなかったウディ
旅を進めていくうちに彼の過去や人となりが見える要素が肉付けされて深みが出てくるさまと、悪くはないが今ひとつパッともしなかった息子のデイビッドがウディの旅に辛抱強く付き合っている内にウディへの距離が無くなっていくさまが垣間見られるのがよかった。
個人的に好きなシーンは
デイビッドが自分の車を売り飛ばしてウディが欲しかったものを買ってあげるシーン
ケイトが懸賞金に卑しく擦り寄る親類に一喝するシーン
デイビッドとロスが空気圧縮機を奪還するシーン（笑えるオチも含め）
ウディがトラックをゆっくり運転して昔の仲間に挨拶するシーン
散々既出な気もするが、それだけ心に残ったということで…
