ふしぎだね

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅のふしぎだねのレビュー・感想・評価

3.0
"立つ鳥跡を濁さず"というのは、去る時には見苦しくないよう始末しなさいよ、という戒めらしいが、わたしはこれを文字どおりに読んで、最期の時には、最初から何もなかったようにしておきたいと思っている。そう思うのはわたしが女だからでしょうか。

男の人というのはそうではなくて、何かを成し遂げたり、残したいという思いが強いように思う。この映画に出てくる父親も然り、わたしの父親もまた然りだ。

それはさいごのさいごまで"いい格好をしたい"というプライドに他ならないのだろうけど、プライドというのはもろいもので、保とうとすればするほどボロが出る。でも、ほんとうは、そういうことが一番人間らしくて、だいじなことなんだと思う。

わたしがにきれいに後始末しておきたいと思うのは、人間くさいことが照れくさいからかもしれません。

はなしは変わるが、わたしの友人で、伯父の遺産が手元に入ったら、一晩で遊びに遣い尽すつもりだと云っている男がいるが、あれは別物だ。
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