トモヒロ

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅のトモヒロのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

高速道路の端っこを、おぼつかない足取りで歩く老人。通りかかった警官に保護され、息子が迎えに来て訳を尋ねると、「ネブラスカに行く。100万ドルを受け取りに」という。父親のウディ(ブルース・ダーン)は宝くじで100万ドルが当たったと思い込んでいるが、届いたその手紙は誰も信じないような古典的なインチキチラシだった。
ネブラスカ州はウディの生まれ故郷。息子のデイヴィッド(ウィル・フォーテ)も幼い頃まではそこで過ごしていた。今は家族はモンタナに住んでいる。ネブラスカ州まで1200キロ。到底歩いていける距離ではない。

しかし無口で頑固で元アル中でややモーロクしている父は、ネブラスカに行くと言って聞かない。当選した100万ドルを受け取って、トラックとコンプレッサーを買うのだと言う。デイヴィッドは根負けし、父を納得させるため、渋々車でネブラスカへ向かう旅に出る。

ネブラスカ州ホーソーンに着くと、伯父(ウディの兄)の家に世話になる。
ウディは旧友のエドと再会し、100万ドルのことを話してしまう。噂はすぐ村中に広がる。デイヴィッドが、実は当たってないと否定しても信じてもらえない。
数日間、滞在するうちに、デイヴィッドは父の過去をいろいろと知ることになる。父の昔の恋人にも偶然会い、戦闘機のパイロットをしていたことを聞く。

次第にデイヴィッドの周りには、ウディの過去のことを持ち出してたかりに来る連中が現れる……。





元カノがかなりデブなこととか、喧嘩の仕方が滑稽なこととか、いとこ二人組のダメさとか、大いに笑えた。

息子たちと父親との興味のズレに共感。息子は旅の途中せっかくだから名所(ラシュモア山の彫刻)を見たいというが、父はまったく関心がなく美術の良さを解さない。息子たちが父の生家を見に行こうと提案するが、父は「なんのために?」と思い入れがない。笑いの間もまったく合わない(入れ歯を拾うシーン)。

親戚一同が集まって食事をしている時の空気感にはかなり共感した。結局アメリカも日本も親戚が集まったら変わらないんだなあ。


「なぜモノクロなのだろう? どこかのタイミングでカラーに変わるのかな?」と思っていたが、最後にはモノクロにした意味がなんとなく分かった気がした。
トモヒロ

トモヒロ