のんびり映画

オール・イズ・ロスト 最後の手紙ののんびり映画のレビュー・感想・評価

3.8
往年の名優レッドフォードの底力を改めて見せつけられた。

ヨットクルーザーでバカンスを楽しんでいたところ、漂流してきた巨大なコンテナが衝突し舟に穴が開いて浸水。救難信号も通信機が故障したために出せずに海を漂うことになる。
一人劇のサバイバル映画は数多くあるけど、「セロ・グラビティ」のサンドラのように独り言を発するわけでもなく、「キャストアウェイ」のトム・ハンクスのようにバレーボールに話しかけて孤独を紛らわしたりもしない。ただ目の前の問題に黙々と対処して、時折唸るだけで全くと言っていいほど話さない。元々無口な男だろうし、後半は衰弱して助けを求める声も満足に出せなくなっていた。回想などもなく、狭い船の中でただトラブルに向き合うだけなのに観客の興味を持続させる演出を考えるのは難しかっただろうな。
セリフではなく映像で人物、物語を語る大好きなタイプの演出。一切の説明もない男の過去を観客の想像にゆだねる潔さを称賛したい!

十分満足してるけど「最後の手紙」ってなんだよ。サブタイトル全く必要ないだろ