じゅぺ

シンデレラのじゅぺのレビュー・感想・評価

シンデレラ(2015年製作の映画)
4.3
ディズニーを代表する超有名古典を名匠ケネスブラナーが実写映画化。シェイクスピア作品に精通してきた彼でこそだと思える出来です。さすがの安定感でした。

主演はイギリス出身の女優、リリージェームズ。正直これをみるまで知らなかったのですが、本作で一躍スターへのステージに上がったようです。まさしく"シンデレラガール"ですね!
彼女の持つ真っ直ぐで素直な雰囲気がシンデレラと完全にマッチしていました。きれいな心を持ち、出会った人をすぐに引きつけてしまう内面の持ち主。そんな子だからこそ、継母たちのイジメに耐え、ひたすら我慢し続ける姿をみた観客が「彼女には幸せになって欲しい!」と思ってくれるんですね。「どうしてそんなに意地悪なの?」なんて涙目になりながら嘆く彼女が非常にいじらしくて同情してしまったのですが笑、本当に演技が上手いなと。アニメ版とはまた違う印象ですが、彼女なりの新しい現代版シンデレラを創り出してくれたんじゃないかなと思います。リリージェームズなしにこの映画は成立しない!とさえ言えます。今後要チェックの女優さんです。
王子役のリチャードマッデンもほぼ無名でしたが、まっすぐな気持ちを持った男性を演じていてよかったです。
言うまでもないですが、ケイトブランシェットとヘレナボナムカーターは流石でした。とくにブルージャスミンであまりに醜い女を演じていたケイトブランシェットなんかは今回もサイコーの悪役っぷり。どうしてシンデレラに意地悪するのかを少し掘り下げてくれているので、物語にスパイスが加わっています。

本作で自分がいちばん感動したのは美術。カボチャの馬車のもはや何がなんなのかわからない豪華っぷりはもちろんのこと、シンデレラが舞踏会で着るドレスも素晴らしかった。映るたびに光で色が変わる青。彼女のもつ透き通った心の美しさが外見にも現れています。舞踏会に集う貴族や王族たちの衣装や王国の城の内装、シンデレラの住む家に至るまで細部にこだわった画面作りがなされていて上映時間中それだけで飽きない。めちゃくちゃ気合入ってます。

ストーリーに関してはとくに言うことはありませんね笑 ただ、変化球なし全球ストレート勝負で、あまりにも素直で純粋な話だったために、逆に清々しく、すっきりと作品のテーマや伝えたいことが心に響いてきました。「勇気と優しさを忘れないで」これはディズニーがずっと昔から作品を通して伝え続けてきたこと。無駄な装飾を排したからこそ、丸ごとその言葉の意味や素晴らしさを受け止めることができるのではないかと思います。小難しいことは考えずに、シンデレラのように真っ白でピュアな気持ちになって鑑賞することをオススメします!ぜひチェックしてみてください。

(追記)ビビデバビデブーの曲が本編で流れずにガッカリしていたのですが、エンドクレジットの最後にしっかり流してくれました!安心しました笑
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