幕府の陰謀で8日かかる参勤交代をたった5日以内に参勤交代せよ、という無理難題を吹っかけられた貧乏小藩の湯長谷藩が、意地と知恵を振り絞りこの危機に立ち向かっていくコメディー時代劇。
時代は8代将軍・徳川吉宗の治める江戸時代。舞台は現代でいう福島県いわき市にある磐城国の湯長谷藩。
参勤交代を終え帰郷してすぐ、金山隠しの疑いをかけられ、江戸幕府の松平信祝から通常8日かかる道中を、5日以内に参勤交代をするように命じられる。金無し時間無しの苦境の中、知恵を振り絞り一大作戦を決行して江戸までたどり着こうというお話。
この作品の面白いところは、試行錯誤して超高速で参勤交代をしようとするところにある。数少ない藩士を多く見せたり、他の藩から人手を借りたりとピンチの連続を打破していく様が良い。オマケに忍者の刺客まで現れるのだから観ていて飽きない。殺陣にシリアスなシーン、コメディーと色々な要素が詰まっており楽しめるのだか、どうせならコメディーに全振りしてぶっ飛んだ内容にして欲しかったな。
佐々木蔵之介演じる湯長谷藩の藩主・内藤政醇の民に愛されるほど人情深く、自分のことよりも藩を守るために行動する優しいキャラがとても良かった。貧乏で大変そうなのに、幸せそうな振る舞いをする内藤は好感度高い!
現在のマップで湯長谷藩跡から江戸城跡までの距離が約193km、1日あたり38.6kmを進む計算。年齢にもよるが、人の歩行速度がだいたい時速4.4kmくらいと仮定すると約8.7時間は歩かなくてはならない。1736年の江戸時代の整備されていない道や山などを考えると走行距離は200kmを超えて、5日間毎日フルマラソンレベルで、道中敵と応戦しながら走りにくい服装と装備で江戸までたどり着くのは至難の業🤔
参勤交代って悪い印象あるけど、江戸までの道中で商人や宿にお金を使わせて経済を回させ、幕府に忠誠を誓わせる最高のビジネスだと思うと凄い!
いわきに3年ほど住んでたから親近感湧く。“えっさ〜、ほらさ〜”の掛け声で走る姿が脳内から離れない🏃
時代劇ものとしては凄くみやすい。