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超高速!参勤交代のTocoのレビュー・感想・評価

超高速!参勤交代(2014年製作の映画)
3.6
笑える時代劇と思ったら、ふつーに良い映画だった。
金に目が眩んだ老中に対して、貧しくても仁義を貫く湯長谷藩の人々に感情移入してしまう。深田恭子は浮いてたけど、家来一人一人の個性をよく描いてる。猿の名前(菊千代)から七人の侍を彷彿とした。
特に藩主 内藤の真っ直ぐな生き方と表情がいい。戸隠の忍びに差し出した肩身の刀や、飢饉で本家を手助けした彼の恩が伏線としてしっかり物語に還元されているのもよい。
藩主の人柄が幕府に信頼されたのは、よく耕された土で育った大根の漬物の誠実な味があったからだった。藩主と民と大根は一体化しており、藩主が何度も「民」と口にするのも、この共同体の意識から発せられたものだろう。地方の行き方を考える上でも参考になる映画かもしれない。
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