そうねだいたいね

ホットロードのそうねだいたいねのレビュー・感想・評価

ホットロード(2014年製作の映画)
2.1
高校2年の夏。クラスから仲間外れにされ学校に居場所なんて無かった頃。1人図書室で読書をしていると、「何読んどん?」と話しかけてきた茶髪でヤンキー風の女の子。どうやら留年の恐れがあるらしく、「ここ教えてくれへん?」と数学の問題を持ち込んできた。テスト勉強を手伝っているうちに僕らは仲良くなった。でもやっぱり居場所なんてなくて、僕は登校を拒否し部屋で何もせず天井を見つめる日々を送っていた。そんなある日の夜、普段は鳴ることのない携帯が鳴り、電話に出るとあの女の子からだった。「これから会えへん?」。なんとなく返事をし、なんとなく言われた場所に向かうと、大きなバイクに乗った彼女がいた。「後ろ乗って」。言われるがまま僕は彼女の後ろに座った。僕を乗せた彼女は何も言わずバイクを走らせた。車が一台も走ってない深夜の道をひたすら走り続けた。少しして「そのまま立って手広げてみ」と彼女は僕に言った。僕は恐る恐る腰を上げて、大きく手を広げてみた。前から来る強い風が体を押し倒そうとしてくる。でも僕は風に負けずにしっかりと立ち、風は諦めるようにして僕の体を通り過ぎていった。風が僕の存在を認め避けていく。「生きてる」。そう思った。その瞬間、涙が止まらなくて、彼女の顔を見ると嬉しそうに笑ってた。そんな昔の思い出が蘇ってきてそうになったけど、今思えばそんな経験かつて一度もしたことが無かったので、ただそんなことあったと強引に思い込むことしかできない映画でした。