Arlecchino

早熟のアイオワのArlecchinoのレビュー・感想・評価

早熟のアイオワ(2008年製作の映画)
3.7
監督の実体験に基づくいうことです。とても宗教的なお話でした。原作者(=監督・脚本)の父親は牧師だったということですからね。主人公を敢えて(作者本人の名前とは違う)Agnesという名前にしているところからも覗えます。研究社の辞書によればAgnesとは「聖アグネス 《異教徒の夫を強いられ, 拒絶したため 304 年に火あぶりにされ殉教したローマの少女; 純潔と少女の守護聖》」とあります。象徴的ですね。序盤、新聞記事(?)を書き留めているノートの表紙にAgnesとあって、彼女はアグネスという名なんだと初めて分かります。うわあアグネスだよ、むしろベタだな、と。ともかく神様に問うシーンはたくさんありましたね。

住まいは黒人コミュニティにある「ポーカー賭場(原題:The Poker House/兼娼館)」、母親は黒人相手の娼婦。逃れられない、腐りきった環境に生活する、それぞれに美しい心を持つ三姉妹の、ある特別な一日が描かれています。あとわずかで14歳になるアグネスには今日、人生で一番大事なバスケットボールの準決勝があります。試合の前に3人の少女それぞれに楽しいこと、辛いこと、いろんなことが起こりますが、全般的にユーモアをこめて描かれていることにとても好感を覚えました。

この日、アグネスは良かれ悪しかれ、否応なく人生の次の階梯に踏み出すことになります。神はアグネスを救ったのでしょうか。ジンとくるいい映画でした。

邦題はどうなのかなあ。なんか間違ってる気がするんだが....
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