ミミック

早熟のアイオワのミミックのレビュー・感想・評価

早熟のアイオワ(2008年製作の映画)
3.5
女優のロリ・ペティが自身の少女期の体験を監督脚本で映画化した2008年の作品。

大人が夜な夜な集まる゙ポーカーハウズと呼ばれる家で母と暮らすアグネス(ジェニファー・ローレンス)、ビー(ソフィア・ベアリー)、キャミー(クロエ・グレース・モレッツ)の三姉妹の生活と旅立ちを描く。

1976年のアイオワ州での日々の様子が三姉妹の視点で進むシナリオはこれといった筋はないが、それゆえ中盤アグネスに振りかかる事件の衝撃を際立たせていたし、ラストの車中で「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」を熱唱する三姉妹の開放感に繋がっていた。

三女役のクロエは当時10歳で声がまだ幼いが、表情が既に出来上がっている。14歳の長女役のジェニファーは当時17歳で初主演ながら既に大器を予感させる堂々たる演技。
「あの日、欲望の大地で」「ウィンターズ・ボーン」と並んで、この頃のジェニファーの芝居には言葉にならないほどの凄みを感じる。

売春の世界の話なので暗い展開になりがちなのを、三姉妹の雰囲気のよさが前向きな気持ちにしてくれる。

アグネスが事件のあった夜にバスケの試合に出て活躍するのはまぁいいとして、ブザービーターまで決めるところには思わず「スラムダンクかよ」とつぶやいてしまった。

始まりこそぱっとしなかったが、それなりにスッキリした終わりかたでよかった。最後一度音楽が止まって、再び歌い出すシーンが好きだな。
ミミック

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