青山

ダリオ・アルジェントのドラキュラの青山のレビュー・感想・評価

2.6
特にあらすじを説明するまでもなく、あのドラキュラです。「吸血鬼ドラキュラ」とか「吸血鬼ノスフェラトゥ」と同じあのドラキュラです。特にひねりはなくあのドラキュラです。この2012年に。

これほど古典的な題材を今更取り扱うに当たってアルジェントが手に取った武器はたったのふたつ。

一、超美麗3D映像

ニ、おっぱい



......これだけの武器でドラキュラに挑んだって返り討ちに合うに決まってますよ。というわけで、アルジェント全作の中でもわりとトップクラスのつまらなさでした。

さて、まず映像についてですが、綺麗は綺麗です。ただ、その綺麗さはアルジェントに期待するエッジの効いた色彩感覚や独創的なグロ描写ではなくインスタ映えしそうなオシャンティでファンタジックな綺麗さなんですよね。そういうのはデルトロとかにでも任せとけばいいんですよ。変に小綺麗にしようとしてチープになってしまってました。チープといえばCGも酷いもんですよ。3Dということでアトラクション要素を取り入れるために派手にCGぶちかまそうとしたのかもしれませんが、安っぽい。ドラキュラ伯爵がいちいち瞬歩するのも絶妙にダサいですね。

次に女性の美しさについてですが、これはもう素晴らしい。正統派清純派美女のヒロインと、ビッチ系セクシー美女というタイプの違う美女2人を配役したのは見事ですね。
ヒロインはたまに色っぽいところも見せつつ全体に高貴さを貫きます。一方のビッチの方は開始5分で馬小屋ファックしたり常に胸元見せびらかしてたりいきなり大胆誘惑してきたりと、旺んにおっぱい攻撃を仕掛けてきます。この一作で2度楽しめる感じは良かったところですかね。あとアーシアのヌードもちょっと入ってますが、さすがに劣化が激しく、若い人にメインを譲って正解だと思いました。てゆーかなんでいちいち娘を脱がすんだこの監督は......。

というわけで、お色気くらいしか見所のない作品ではありますが、唯一カマキリが出てくるシーンだけはアルジェントらしい意味不明さで良かったです。今の所これがアルジェントの最新作になりますが、ロメロもフーパーも亡くなってアルジェントもそろそろヤバそうなので、早くこんな駄作を塗り替える新作を作ってほしいところです。
青山

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