何度も映像化されてきたゴシックホラーの古典にアルジェントが挑んだ作品。
驚くほどオーソドックスに物語を展開していくので前半はテンポの悪さこそあれ、人々が伯爵の毒牙にかけられていくお決まりの過程を楽しめましたし、吸血シーンのエロティックな見せ方も良かったです。
ただCGの使い方が板に付いておらず、巨大カマキリを筆頭にゴシックな雰囲気を台無しにする安っぽさが否めませんでした。
古典に独自の解釈を加えることもなく、無難に物語りながら新しい技術に触れてみただけという巨匠でなければ制作することさえ許されなかったであろう志低めの作品でした。
