菩薩

人妻集団暴行致死事件の菩薩のレビュー・感想・評価

人妻集団暴行致死事件(1978年製作の映画)
4.1
元々未完成な死体として登場する黒沢のり子が事件を経て完璧な死体へと変化する。死後硬直、閉じない目、清められ抱かれたであろうその屍体。お人好しが招いた災難と言うよりは鈍感さが招いた災難と言うべきか、無軌道な性春の暴走、恩を仇で返すどころの騒ぎでなく、しかもあれ程の事をしておきながら執行猶予がつく…。死の臭いは常に付き纏い、鶏の羽をむしるかの様に人間の命も踏み躙られていく。事が起きてからの室田日出男が凄すぎる、鬼神の如き表情と共に繰り出される怒りの張り手、その後の魂の抜けた様な落差。絵沢萠子の爆裂放尿も凄いが、ババアがガラス戸突き破って侵入してくるとこも凄い。思えば「卵を盗む」と言う行為の時点で決定付けられていた悲劇の様な気もする。
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