ぶつける相手も見付けられずエネルギーを持て余した粗野で、思考停止した若いれんじゅうが。
高度成長期も終わった頃の地方都市で無軌道に、我が物顔に暮らしちゃあその浅薄ぶりを晒すよ、という事かしら。
女性の自己主張も奔放さも激しくなりけりで立場ねえすよ俺ら、みたいなぼやきもあるのかしらね。
それこそ。
上映館のスタンプも捺されていたかしら、確か実家にゃ「ロッキー」のパンフレットが存在していたものですからしておそらく、俺の親世代がまだまだ外的刺激に敏感だった頃の時代だと思うんですけれども。
そして俺自身もその残り香を嗅がされながら育ってしまったが故にその感覚が、即ち本作が描く若いれんじゅうのそれが、多少なりとも解ってしまうのが本当に嫌。
凄え恥ずかしいし腹立たしい。
アップデートをお仕着せで迫られちゃっちゃあうるせえこの野郎、てなりますけれどもおっさんになって多少はものの分別ってもんもつくようになりゃあ或いは自然、反省もするって言ってんじゃん何度も何度も。
或いは量刑がどちゃくそ軽いなと思ったんですけれどもこれも男尊女卑がまだ背景にあった頃の世情なのかしら、はぁ嫌だ嫌だ。
ねえ。
閑話休題。
感想としては、街こそ主役の青春グラフティとして前半は、カメラが捉える人物の、詰まりが主人公グループの素朴さはともかく頭の悪さこそが目立ちますからして辟易しつつもしかし楽しく観まして。
室田日出男を認識したのが「ぼくらの七日間戦争」、なので社会からはみ出した人間に扮した彼にゃあ親近感しかなく。
そして彼の奥さんのホラーな存在感に戦慄きつつ、見事な屍体ぶりに感心を覚えた訳ですけれども。
話は急展開に感じられるわどいつもこいつも身勝手な気狂いだわで俺はなにを観させられているのだという気分になりましたよ、と。