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Bo 堕ちていく少女のtheocatsのレビュー・感想・評価

Bo 堕ちていく少女(2010年製作の映画)
2.8
ネタバレ
ベルギー未成年売春婦が作られゆく一つの例

邦題どおり少女が堕ちていく過程なので積極的に見たくなる類のものではない。
しかし、これも現実の一側面と見なすならば視聴した甲斐はあったというもの。
厳しい世界だね・・・


ベルギー、キレイ可愛いと言っていい15歳の少女。母子家庭で母親も失業中とあって小遣いももらえず、下着さえ買ってもらえない。
クラスメートではないが一人違う雰囲気の女子が気になり積極的に近づこうとする。
その子はエスコートガールとしていい小遣い稼ぎをしているという。
先の少女も18歳と年齢を偽り仕事を紹介してもらうことになるが、仲介男子にそそのかされ結局は売春をさせられることに。

急に金回りの良くなった娘を訝り母親がかぎつけ警察に通報。未成年少女は保護施設へ。
出所後、「恋人」の仲介人と暮らしはじめ、施設で知り合った13歳の少女も飛び込んでくるがその子はヘロイン中毒者・・・



日本も援助交際という名の少女売春・買春が止むことはないのでそのベルギーというかヨーロッパ版という違いに過ぎないのだろうが、顔立ちや身長、ファッションや出入りする場所のせいか随分大人びた〝色”世界。
集団の日本人客もいたが、現在なら中国人や羽振りのいい第三世界圏の人間に入れ替わっていることだろう。

保護施設出所後に金欠の以前の生活にすんなり戻れるわけもなく、一番性質が悪い口先で少女かどわかす仲介人の「恋人」と暮らすも、売春を拒否する少女に手を焼き、その友達のヘロイン少女があんなことになってしまったので大組織に全ての処理を依頼。ついに少女も人身売買の身となり拉致移送される場面はスリリング。

ラストはあのまま逃げおおせるか再度捕まるか分からない場面でエンドとなるが、それほど楽観的な見通しが出来ない心象しか残らなかったのは辛いところ。


以前見たダルデンヌ兄弟のベルギー映画もそうだったが、変にギミックを用いないリアルなドキュメントタッチが真摯さとして伝わってくる。総評2.8の三ツ星。

012009
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