morita

午後3時の女たちのmoritaのレビュー・感想・評価

午後3時の女たち(2013年製作の映画)
3.5
@ヒューマントラストシネマ渋谷
2015.11.11

なんと言ってもオープニングが素晴らしい。ガソリンスタンドの洗車マシーン(って言うのですかね?あの全自動のやつ)で洗車中、手持ちぶさたになった主人公の専業主婦が車内でジタバタするシーンを車内から撮っていて、そのジタバタが主人公のモヤモヤをわざとらしいくらいに表している(ソフトサイケっぽい女性ボーカルの音楽も絶妙!)。オープニングシーンだけであれば、今年屈指のでき、とさえ言えるかもしれない。

洗車シーンはラスト辺りにもあって、そこでの描かれ方も教科書的に意味付けしてる感はあるけどよかったし。

今作がデビュー作のジル・ソロウェイ監督は「ジャック・ブラックやセス・ローゲンの女性版を描きたかった」(公式ホームページのイントロより)らしいのだけど、それならば主人公とそのママ友(つまり、映画内に登場するほとんどの女性)を専業主婦に設定したのは失敗だったのでは……。

ハリウッドの高級住宅街に住むような人たちという設定というエクスキューズがあるのだけど、その設定自体がちょっと古くさいというか、前時代的な感じが。

主演のキャスリン・ハーンは、シャマランの『ヴィジット』で母親役を演じていた人で、シャマランはこの作品を観てオファーしたはず(本作は2013年製作の作品)。『ヴィジット』同様、はじける演技の妙齢感の醸し出し方がよかった。ストリッパー役のジュノー・テンプルも、公式サイトのスチールで見るよりだいぶいい。アメリカ的な小悪魔感をうまく出していました。

『ヤング≒アダルト』の別バージョンというか、専業主婦バージョンのような雰囲気の映画だな、なんて少し思いました。
morita

morita