しーほ

午後3時の女たちのしーほのネタバレレビュー・内容・結末

午後3時の女たち(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

たぶん退屈な人には退屈な映画なんだろうけどすごく面白かった。最初から最後まで飽きない。かなり好み。
洗車のシーンで始まるあたりがセンスいい。自分は水や洗剤にまみれず安全な内側に居るくせに、それを眺めてる主人公の性格がよく表れてる。

タイトルやあらすじからして、セックスレスに嫌気がさした主婦が不倫する話かと思っていたらそんなシンプルじゃなかった。いい意味で。

ストリッパーでセックスワーカーの女の子を家に置く。でも本人は救われたいとか変わりたいとか思ってなくて、主人公の傲慢な優しさが鬱陶しい。けど、人間にはそういう一面がある。勝手に拾って勝手に捨てる、優しさにかこつけた残酷さ。
女の子の堂々たる姿と子守りはちゃんとやる人間味がいい。旦那と関係しちゃうとかいうベタな展開がないのもいい。

終盤でそれぞれの女の生き方が映し出される。子供が何人居ようが異性愛者だろうがどう生きようが決まりはない。「荒れる必要なかった、幸せだもの」という台詞に全てが詰まっている。

それぞれのキャラ設定がかなりしっかりしてるし、脚本も練り込まれてる感じがした。派手な展開がないのでそういう映画が好きな人には向かない。思慮深いタイプの人が好む作品。
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