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フォックスキャッチャーのnattyan9のレビュー・感想・評価

フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)
4.0
             2261
(IMDb 7.0:131,444人視聴)
 
虚無の極致。
素晴らしい。
(「女王陛下のお気に入り」を
 思い出した)
 
やっぱり、
お金、親友、家庭、
3つを同時に手に入れるのは、
難しいんだろうなぁ。
 
その前に、
富豪役の
スティーブ・カレルが、
ヤバい。
「40歳の童貞男」との振り幅!
いや、
前から、達者な人だなぁ、
と思ってたけど。
調べたら、
09年、
アメリカのテレビで
最も稼いでる俳優だったらしい。
納得。
 
いやー、
インプロやコメディ出身の人とは、
思えない。
間がいいよなぁ。間が。
いい意味で、
スッカスカの間。
(長い、って意味)
あと、
顎を上げて、上から目線
ってのも、巧い。
 
で、
お金持ちの虚しさの話。
家族もいなくて、
親友もいなくて・・・
いやー、
デビット・ボウイの
「FAME」(名声)
そのものだなぁ・・・
”名声がお前を破滅させる”
 
自分の伝記ビデオを作るために、
毎年5000万、
レスリング協会に
寄付するって・・・
 
しかも、
ただ、母親に愛されたいがために・・・
 
愛情乞食の無限地獄だよ・・・
 
いやー、
狂気そのもの・・・
やっぱ、
創業者じゃない、
2代目は、狂気だな。
 
創業者なら、
仲間を集めるために、
コミュ力は必須だから、
その過程で、
親友とか、家庭も
結果として、
生まれるんだろうけどなぁ。
 
で、
結局、
自分には、
お金しかないから、
本当の自己肯定感はなくて・・・
 
「イントゥ・ザ・ワイルド」
じゃないけど、
”幸せとは、
それを分かち合える人がいることだ”
だよ。
親友とか、家族とか。
 
もっと、素直に、
「愛して欲しい」 
って言えれば、いいんだろうけどなぁ。 
”尊敬して欲しい”
なんて、
狂気っていう病気だよ・・・
 
なんか、
政治家とか、芸能人とか
思い出した。
”名声を追い求める”って意味で。  
 
よく人間は、
「名声を得たら、愛される」 
って思い込むんだけど、
そうじゃないんだよなぁ・・・
 
愛することが、先。 
 
 
いやー、
お金、親友、家庭。
バランスが難しい。
 
なんか
「カイジ」の
福本伸行さんの言葉を思い出した。
 
「成功ってヤツは、魔物でな、
 扱いが厄介なんだ。
 積み過ぎると、身を滅ぼす。
 棺になって、お前を縛る。
  
 だから、
 休んだり、失敗したり、
 分け与えたりして、
 更地にするんだ」
 
 
 
 
 
 
ps.
強いて言えば、
一番好きなシーンは、
兄が躊躇の末、弟を殴った後
・・・・・・
抱擁し、激励するシーン。
 
 
ps.
実話。

 
ps.
贅沢を言えば、
カレルのその後が
見たかったなぁ。
後悔するのか。
目が覚めるのか。
 
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