フォックスキャッチャーの作品情報・感想・評価

「フォックスキャッチャー」に投稿された感想・評価

お金は怖いっていうのが1番の感想。
お金は簡単に人生を輝かせることもできるし、簡単に滅茶苦茶にしてしまうことだってできる。

あまりに魅力的なオファーにデュポン率いるフォックスキャッチャーに迷いなく入団することを決めたマークだけど、このときの兄の「彼の本当の目的はなんだ?」っていう、なんだかそのオファー、何か裏があるんじゃない?的な予言ともとれる言葉が、最後現実になってしまう…

何か自分にとって魅力的なオファーを他人から受けたとき、相手がそのオファーをする本当の目的って何なんだろう、って一歩引いて考えるのって大切だなぁと。

「偉大なアメリカ国民を育てたい」なんて超綺麗事で、本当の目的は自分の承認欲求を満たしたいだとか、孤独感を埋めたいだとか。だったら最初からそう正直に伝えた上で、「わたしにも貴方にも利益がありますよ」っていう誘い方にすれば面倒くさくないし、こんな悲しいこと起こらなかったのに…と、一意見を持ちました。
ひろ氏

ひろ氏の感想・評価

2.8

このレビューはネタバレを含みます

※後でまとめる。

‪▼物語構造‬
悲劇

事実をもとにしている。
脚色の類は薄く、BGMは静かだ。
トレーニングのシーンは何度も映るが、それは日常でしかない。やはりこの物語は、あくまでも日常を描いたものなのだと感じる。その延長がラストシーンなのだ。
debby

debbyの感想・評価

3.6
実際にあった事件をもとに作られた映画。
ただし事実に忠実というわけではないので、
半分はフィクション映画です。

デュポン財閥はアメリカの三大財閥とも称される巨大財閥で、
テフロン加工の"テフロン"やゴアテックスなど
石油化学関係の開発をしている大企業です。

終始重たい雰囲気で話が進むヘビーな人間ドラマで
中身は重く濃いし面白いです。
ただ展開は若干冗長だったかなと感じました。

またアマレス兄弟2人の体作りはよく出来てました。
チャニング・テイタムは大好きな
チーズバーガーとピザとビールを我慢して、
大嫌いなダイエットをしたそうです。
兄のマークラファロは7ヶ月で筋肉を16kg増量させたそうです。すげえ。
ギンレイホールで観た、淡々としていてちょっと飽きがきてしまったかなあ
nova

novaの感想・評価

4.0
結構ラストで驚かされた。なぜ?快楽殺人以外は加害者に同情の余地もあったりもするけど、これだけは不可解。親の育て方とか環境とか理由にならんでしょ。どうしようもなく歪んでる。被害者は何の落ち度もない。無念。それだけ二人の演技はすごかった。
スティーブカレルが気味悪さを熱演!チャイニングテイタムの感情は良くわからなかった。マークラファロもとても良い。静かに盛り上がっていく狂気がなんともいえない雰囲気
Takeo

Takeoの感想・評価

4.6
しびれました。
脚本は史実なので、当然ズシッと来ます。何よりもキャスティングと撮影が天才です。
hikarouch

hikarouchの感想・評価

3.5
スティーブ・カレルの変身超怖い。
けどこの人もともとコメディやっててもなんとなく陰を感じてた。

主要キャストのイカれっぷりハンパない。

(2015年鑑賞時の殴り書き)
902本目。
最近のお気に入りであるマーク・ラファロの出演作品です。
作品により別人のように雰囲気が変わる彼のすばらしい演技を今回も堪能できましたが、それ以上の収穫と言えるのは、「統合失調性のお金持ち」という難しい役見事に演じたスティーヴ・カレルです。「ラブ・アゲイン」などコメディのイメージがありましたが、とても幅の広い演技ができる人なのですね。また、チャニング・テイタムもアスリートの繊細な部分を巧みに演じていて良かったです。

この作品は実話ベースということもあり、必要最低限のセリフ量で、しっかりと魅せてくれます。映像や音楽による美化も控えめでちょうど良い感じです。冒頭から終盤までものすごい緊迫感がありました。

内容は財閥のお金持ちで、何不自由ない生活ができるはずなのに、母との確執からレスリングコーチとしての名声を追い求めた男、ジョン・デュポンと、マークとデイヴのレスリング五輪金メダリスト兄弟がジワジワと破滅に向かっていく、悲劇の物語です。それと同時にアメリカ社会の闇という大きな問題についても描かれています。

アメリカではレスリングはマイナー競技のため、アマチュアだと生活が厳しいことはわかっていましたが、作品の中で、ゴールドメダリストの講演料がわずか20ドルであったり、アスリートは身体が資本のはずなのに、自宅ではインスタント食品を食していたことにはショックを受けました。

人気のある競技の現役選手であれば、講演料は100倍くらいが相場かと思われます。この格差はどうにかならないものか。どんな競技でも現役選手が五輪を目指している人にはお金のことで苦労させたくありません。そんな環境下でお金持ちからお声がかかれば、選手としては迷うところはないでしょう。

大富豪ジョンとマークの間には、理解しがたい強固な絆のシーンが見受けられましたが、この2人には「ソウル五輪でのメダル獲得」という共通の目標があったからだと推察できます。この時の気持ちだけは純粋だと信じてあげたいような気がします。その後どんな結果になるとしても…。

タイトルの『フォックスキャッチャー』は直訳すると『キツネを捕まえる』という意味になります。キツネ狩りはヨーロッパのお金持ちや貴族の趣味ですが、冒頭でのビーグル犬や、母の名馬収集と同様に、ジョンが大金を投じてレスリングの名選手を囲い込んだことも、所詮お金持ちの道楽にすぎないことを皮肉ったタイトルなのでしょうか。
紫煙

紫煙の感想・評価

4.0
初対面で、好印象ながら恋にはいたらず、別の場所で2回目に出会いながらその人とは思わず、3回目にはっきり、好きと分かった感じだろうか。

ベネット・ミラー監督を、初めて認識できたのが本作だった。

『カポーティ』で大感動はしていたけれど、題材によるものなのか、監督の味わいなのか分からなかった。

『マネーボール』をすこぶる楽しんだ時点でも、同じ監督作品という認識はなかった。そしてこの3作目で、ベネット・ミラー監督が好きだと確信した。

実話をベースにしているからといって、”事実”に忠実なわけではない。

硬質な映像の質感、役者の演技、脚色。それらをジワジワと物語のなかに浸透させ、ある種の”真実”を立ち上げていく手法こそが、この監督を味わう最大のポイントだと思う。

心理劇を読み解く際に、よく使われる言葉がある。そうした言葉を使っていけば、この映画のガイドラインは引くことができる。

しかしそれは、芥川龍之介の作品を、書かれた物語にそって解き明かしていく作業に似ている。そんなものは、すでに作品に描かれている。

沈黙したほうが、作品の深層に触れている。そんな気にさせられる、ちょっと得難い作家性を、このベネット・ミラー監督は持っていると思う。

私がもし拳銃を手にしてしまったなら。その銃口を向ける相手は、誰なんだろう。私がもし銃口を向けられたなら。その拳銃を手にしているのは、誰なんだろう。

銃声が轟(とどろ)く場所はいつだって、ほんとうには撃ち放たれるべき場所ではない。
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