女子高生の世界の中心は自分だと信じて疑わない姿勢が嫌いだ。
電車での傍若無人な振る舞い、大人への反抗的な態度、そのくせ困るとすぐに子ども扱いしてくれと主張する。
そして何より苦々しいのが、数年前まで自分もその一員だったことだ。
この映画は私にそんなことを思わせた。
まず始めに言っておくと、女子校は決してこんな風ではない。
多くのグループがあって、その頂点に君臨するのは派手で可愛いグループなのは確か。作中の台詞のように決して口に出しはしないけど、心の中でそれに似た感傷的なことも確かに考えていた。
だけど個の尊重はそれぞれが意識しており、迎合するのではなくむしろ自分は他人と違うこんな面がある、と無意識にみんな主張していたように思う。
屋上の小さな庭園、ダンス、兄、彼氏、宇佐美は、みんなそれぞれの小さな守るべき世界であり、プライドであり、自分の存在意義だ。
もっと大きな世界があるよ、と大人は言うけれど、少なくとも今はそれにしがみつくのに必死で気づけない。
みんな自分の世界に閉じこもっていて、その世界の中心は自分だと思っている。
私が何の後悔もなく楽しく学生時代を過ごせたにも関わらず、もうこの時代に戻りたいとは思わないのは、もっと広い世界を知ってしまったからだと思う。
文化祭の目玉であり伝統行事のはずのミスコンが客少なすぎじゃ、、?と思わないでもないけど、あのシーンをやりたいならそりゃ人は少ない方が良いよね。
とにかくレビューが書きづらく下手に言葉を重ねるしかできなかったけど、人にオススメするかと言われたら、はっきり私はしません。
映像でなくて本で読んでいたら、もっと好きになっていたかもしれない作品。
(9.1.2015#5)