スキピオ

イコライザーのスキピオのレビュー・感想・評価

イコライザー(2014年製作の映画)
4.0
“人生でもっとも大切なふたつの日は、自分が生まれた日と、そして生まれてきた意味を知った日”

二作目を観ようと思ったのでソフトで初見鑑賞。

舐めてた相手が凄いやつでした系に疎いので、大味なアクションモノかと思っていたら、ベンアフレックの「コンサルタント」同様、小規模作品ながら作品全体に通底する独特の緊張感と映像センスの良さ、ミニマムな登場人物、がクセになり、作品が人気な理由がわかった。

古典「老人と海」を下敷きにした示唆に富んだやりとりも意外で読書をしたくなる。

残念なのは肝である数十秒でケリをつける戦闘シーンのテンポが遅く、絶望的にキレがないこと。

ヒロインの少女:クロエグレースに関わる直接的な主人公の「遺恨」は前半数十分の小ボス退治で早々に晴れてしまっているので、それ以降の大ボスには直接関係がないため、その後はずっと物語のカタルシスが弱くバランスが悪かった。ドラマのために時間をかけるべきだったのは前半駆け足気味だったヒロインとの交流こそだったんじゃないかな。

また主人公がホームセンターの従業員で表社会の人間であるというのも早々にどっかいってしまって、ラストこそホームセンターに戻るもののストーリーのほとんどがカタギじゃない凄腕エージェント感バリバリでイマイチ。

全体としては続編観たくなるくらいには好きです。